目がしょぼしょぼする原因

視界がかすみ、目を開けにくいような感覚のことは、よく「目がしょぼしょぼする」と表現されます。目がしょぼしょぼする原因は多岐にわたり、よくあるケースとしては、目の一時的な疲労、異物の混入、不適切な眼鏡・コンタクトレンズの使用などが考えられます。

しかし、上記以外で目がしょぼしょぼするようであれば、何らかの眼疾患が原因となっている可能性があります。放置すると悪化させてしまうこともあるので、症状が気になる場合は早めの眼科受診をおすすめします。

目の疲れ

一時的な目の疲れによって目がしょぼしょぼすることがあります。長時間のパソコン・スマートフォンの操作、車の運転などは目に大きな負担をかけるため、これらを行った後に目がしょぼしょぼすることがあります。

多くの場合は一時的な疲れ目ですので、十分な休息を取れば軽快します。日常的に目を酷使する方は、定期的な休憩を心がけるとよいでしょう。

異物の混入

眼球とまぶたの間にゴミやほこり、抜けたまつ毛が入り込むことで目がしょぼしょぼすることがあります。異物が排除されれば異物感も治まるので、とくに問題ないケースがほとんどです。

しかし、異物がそのまま目にとどまり続けると、眼球表面を傷つける恐れがあります。長期間目の異物感が消えない場合は、眼科を受診するようにしてください。

眼鏡・コンタクトレンズが合っていない（矯正不良）

度の合っていない眼鏡・コンタクトレンズを長時間使用すると、目に違和感や頭痛・めまい・吐き気などの症状が現れることがあります。きちんとした検査のうえで、適切なものを使用するようにしましょう。

考えられる疾患

ドライアイ/眼精疲労/結膜炎/花粉症/白内障/緑内障/眼精痙攣

ドライアイ

ドライアイになると、涙の分泌量や質が低下して十分に行き渡らなくなり、目の表面が乾燥するようになります。それにより、目の充血や視界のぼやけ、目のごろごろ・しょぼしょぼとした違和感が生じるようになります。

一時的な疲れ目とは異なり、ドライアイは「涙の疾患」ですので、基本的には自然治癒しません。放置によって視力に影響を及ぼすこともありますので、きちんと治療を受けるようにしましょう。

眼精疲労

目が疲労すると、目の乾きや痛み、視界のぼやけなどの症状が起こり、目がしょぼしょぼして開けにくくなることがあります。これらの症状が一時的なものであれば、適切な休憩をとることで改善することができますが、慢性的に続く場合は「眼精疲労」の状態になっている可能性が高いです。

眼精疲労は短期的な目の疲れとは異なり、休憩を取っても自然治癒せず、全身症状として頭痛や肩こりなどが現れることもあります。眼精疲労自体は疾患ではありませんが、ドライアイなどの眼疾患が原因となって症状が起きている可能性もありますので、注意が必要です。

結膜炎

白目の表面を覆う半透明の膜のことを結膜と呼びます。この結膜が何らかの原因で炎症を起こした状態が「結膜炎」です。結膜炎にはさまざまな種類がありますが、中でもアレルギー反応によって起こるアレルギー製結膜炎では、目のかゆみなどによって目がしょぼしょぼすることがあります。

アレルギー性結膜炎

体のアレルギー反応によって、結膜が炎症を起こすことをアレルギー性結膜炎と呼びます。花粉やハウスダスト、ダニ、ペットの毛など、さまざまなものが原因として挙げられ、人によって反応する物質や症状の程度は異なります。

アレルギー性結膜炎では、鼻やのど、皮膚の症状を伴うことも多いです。また、原因物質（アレルゲン）によって、症状が現れる時期やタイミングも異なります。

花粉症

花粉症は、文字通り花粉によって体がさまざまなアレルギー反応を起こす疾患です。スギ・ヒノキなどが代表的で、現代では多くの方が悩んでいる疾患と言えます

治療によって症状の緩和ができるほか、アレルゲンとなっている花粉が飛散する前に対策を行うことで、ある程度の予防も可能です。

白内障

目の中には水晶体と呼ばれる部位があり、外から入ってきた光の屈折を調整する「レンズ」の役割を果たしています。加齢などの原因によって、これが白濁する疾患のことを「白内障」と呼びます。

視界のかすみや視力の低下のほか、光がまぶしく感じる、物が二重三重に見える、眼鏡の度数が合わなくなるなどの症状を引き起こします。初期段階では自覚症状がないことも多いですが、白濁した水晶体を元に戻すことはできません。進行した白内障の治療では、手術が必要となることもあります（日帰りでの手術も可能です）。

緑内障

眼球内には房水が循環しており、内部の圧力を正常に保っています。緑内障は眼球内の圧力の異常によって視神経が障害され、物の見え方に影響が及ぶ疾患です。視界のかすみやぼやけ、視力の低下などが主な症状です。

物を見にくくなるため目が疲れやすくなり、目がしょぼしょぼするような症状が現れることもあります。

眼瞼けいれん

眼瞼けいれんは、眼輪筋というまぶたの筋肉の異常によって、まばたきの制御ができなくなる疾患です。意思に反してまぶたがピクピクと動いたり、開けにくくなったりするほか、目がしょぼしょぼするような違和感が生じることもあります。

時間経過によって治まることも多いですが、中には治療が必要となるものも存在します。長く続く眼瞼けいれんの症状に悩まされている場合は、一度眼科を受診するようにしてください。