白内障は水晶体が白く濁る疾患です

目の構造はよくカメラに例えられます。虹彩とその中心にある瞳孔は絞りに、水晶体はレンズに、網膜はフィルムに相当します。白内障はこのうちの水晶体が白く濁ることで視界や視力に影響が出る疾患です。

軽度な白内障であれば点眼薬や内服薬によって進行を抑制できますが、濁ってしまった水晶体は元には戻りません。進行した白内障では、手術による根治的な治療が必要となることもあります。

日帰り白内障手術

白内障の手術では、濁った水晶体を取り除き、眼内レンズ（人工水晶体）に置き換えます。大掛かりな処置のように思えますが、複雑な症例の場合を除き、手術は比較的短時間（15～30分程度）で終わることが多いです。全身状態が良好で合併症などがなければ、日帰りでの手術もできます。進行した白内障にお悩みであれば、手術による治療もご検討ください。

眼内レンズの種類

水晶体には厚みを自在に変える機能があり、さまざまな距離にピントを合わせることができます。しかし、人工眼内レンズにはその機能がないため、手術後ははっきりと見える距離が限定されてしまいます。

手術を行う前には、患者様とよく相談して挿入する眼内レンズの種類を決定します。

単焦点眼内レンズ

単焦点眼内レンズは、その名の通り焦点（ピントの合う距離）が1か所のみのレンズです。従来から白内障手術で用いられてきたレンズですので、眼内レンズとしては一般的なものと言えます。手術前に比べて大幅に視力は改善されますが、1か所にしか焦点が合わないため、日常生活では眼鏡による補正が必要となります。

単焦点眼内レンズの特徴

• 焦点の合う距離がはっきり見える
• 健康保険の適用ができる
• 遠近のいずれかにしかピントが合わない
• 眼鏡による補正が必要となる　など

こんな方におすすめ

• 普段から眼鏡を使用している方
• 仕事や趣味のためにクリアな視界を確保したい方　など

多焦点眼内レンズ

多焦点眼内レンズは、遠近両方で焦点が合うレンズです。焦点が合う距離が複数あるため、眼鏡による補正が必要となる場面が、単焦点レンズより少なくできるのが特徴となります。手術自体は単焦点レンズと変わりありませんので、患者様の希望や目の状態に応じて適当なレンズを選択いたします。

多焦点眼内レンズの特徴

• 遠近両方の距離がはっきりと見える
• 眼鏡なしで生活できる場面が多い
• 健康保険の適用ができない（自費診療となる）
• 暗いところで光を見たときにまぶしく感じることがある
• 慣れるまで時間がかかることがある　など

こんな方におすすめ

• 眼鏡なしで生活をしたい
• 複数の選択肢からレンズを選びたい　など

手術を検討するタイミング

白内障と診断されたとしても、必ずしも手術が必要となるわけではありません。日常生活に影響がなければ、薬物療法や眼鏡による矯正で経過を観察することもあります。しかし、以下のような場合は手術が必要となる可能性が高いです。

• 視力の低下により、仕事や家事に影響がある
• 街頭や対向車のライトがまぶしく、車の運転が困難
• 本や新聞などの文字が読みにくい
• 部屋の照明がまぶしく、ストレスになる

高槻市西町にあるなかつぼ眼科では、患者様のお悩みと症状に合わせて丁寧な治療を行います。無理なく白内障のお悩みを改善できるように努めますので、気になることがあればお気軽にご相談ください。

日帰り白内障手術の流れ

白内障の手術は、基本的に以下のような流れで行います。手術前にはきちんと診察・検査を行い、白内障の症状や進行具合を踏まえたうえで、手術日を決定します。

①眼球の切開

目を2～3mmほど切開し、処置を行うための穴を開けます。事前に点眼による局所麻酔を行いますので、手術中の痛みはほとんどありません。

②濁った水晶体の除去

濁った水晶体を超音波で細かく砕きます。吸引によって取り除き、眼内レンズを挿入するためのスペースを確保します。

③眼内レンズの挿入

眼内レンズを適切な位置に挿入して固定したら手術は終了です。一度取り付けた眼内レンズに交換の必要はありません。

白内障手術の注意点

術後しばらくは目の保護をしてください

手術後直後は感染症などのリスクが高まる時期です。点眼薬や保護眼鏡を使用して、治療した目を保護するようにしてください。そのほか日常生活における注意点は、手術時に詳しくご説明します。

術後の経過にご注意ください

白内障の手術から時間を経た後に、光がまぶしく感じたり、視力の低下が起きたりすることがあります（後発白内障）。治療はレーザーによって短時間で行うことができ、入院の必要もありません。手術後、数か月から数年ほど経過してから発症する傾向にありますので、こうした症状が現れた際には必ず医師へご相談ください。

合併症のリスクがあります

白内障手術は外科手術ですので、合併症を起こすリスクが存在します。手術方法が確立されており、経験豊富な医師が担当しますので、その可能性は僅かだとお考えください。もしも手術後に合併症が起きた場合は、適切に対応させていただきますので、必ずご連絡ください。