オルソケラトロジーとは？

オルソケラトロジーは、就寝時に特殊なコンタクトレンズを装用することで、近視を矯正する治療法です。オルソケラトロジーで矯正された視力はしばらく持続するため、治療を続けることで、起きている間は裸眼で過ごせるようになります。

手術の必要がなく、治療後は眼鏡やコンタクトレンズに頼る機会を大幅に減らすことができます。そのため、激しい運動やマリンスポーツ、ウィンタースポーツをする方にもおすすめできる治療法です。大人の方はもちろん、お子さんの近視矯正にも使用できます。

オルソケラトロジーで近視が矯正できる仕組み

「オルソケラトロジーレンズ」という特殊な形状の高酸素透過性コンタクトレンズを使用し、角膜前面の形状を正しく矯正します。

裸眼の状態

近視の状態だと、光が網膜より手前で焦点を結ぶため、対象物がピンボケする。

オルソケラトロジーレンズの装用

オルソケラトロジーレンズを装用することにより、角膜前面の形状が変化する

レンズを外した際に近視が矯正される

レンズを外すことで近視が矯正され、適切な位置で光が焦点を結べるようになる

オルソケラトロジーのメリット・デメリット

メリット

• 手術の必要がない
• 日中は裸眼で過ごせる
• 子どもでも使用できる
• 通常のハードコンタクトレンズと同じ扱いができる　など

デメリット

• 視力の安定まで時間がかかる
• 6時間未満の短い睡眠だと、矯正力が低下する
• 健康保険の適用ができない
• レンズのケアを行う必要がある　など

オルソケラトロジー治療の流れ

①相談・適応検査

オルソケラトロジー治療を希望される際は、まず医師にご相談ください。診察を行ったうえで、オルソケラトロジー治療が可能かどうかの適応検査を行います。

②トライアル装用

適応検査の問題がなければ、トライアル装用を行います。トライアル装用では1週間程度レンズを試着いただき、使用に問題ないかチェックします。

③オルソケラトロジー治療の開始

専用のレンズを処方し、オルソケラトロジー治療を開始します。レンズの装用はご自宅で行っていただくため、使用時に違和感や目の異常などがあれば、すぐに医師へご相談ください。

④定期検査

経過観察や検査のため、定期的になかつぼ眼科まで通院していただきます。

オルソケラトロジー治療の注意点

オルソケラトロジー治療のリスク

オルソケラトロジー治療には、少なからずリスクも存在します。代表的なものとしては、視力の変化に伴うハロー・グレア（※）や、コンタクトレンズ合併症などが挙げられます。そのため、患者様のご職業や体調、生活環境によっては、オルソケラトロジー治療をおすすめできない場合もあります。

必ずしも治療が行えないというわけではありませんが、以下に該当する方は、医師とよく相談したうえでオルソケラトロジー治療をご検討ください。

• ドライアイなどの眼疾患を抱えている方
• 屈折矯正手術（レーシック）を受けている方
• 妊娠・授乳中、あるいはその予定がある方
• 定期的な通院が難しい方
• 乾燥した空気下で過ごすことが多い方
• 視力に変化が生じた際に、業務の中止ができない方（タクシーやバスの運転士の方など）

（※）夜間に街灯や対向車のライトなどの光が過剰にまぶしく感じる現象

オルソケラトロジー治療後の注意

• オルソケラトロジーレンズは、普段使いのコンタクトレンズとしては使用できません。視力の補正が必要となる場面では、通常のコンタクトレンズか眼鏡を使用してください。
• 合併症や目の違和感が生じることがあります。目の異常を感じた際は、すぐに医師へ相談してください。
• ごく稀ですが、近視の進行度合いによっては、治療中にレンズの交換が必要となることもあります。

費用

※自由診療となります
※患者様の体質によってはオルソケラトロジーが使用できない場合もあります。詳しくは医師にお尋ねください