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涙が出る原因
涙は無色透明ですが、血液がもとになっている液体です。さまざまな成分が含まれ、目を潤すことで異物や乾燥から守る役割を果たしています。目の保護と同時に角膜へ栄養や酸素を届ける働きもしているため、目の健康のためには必要不可欠な存在と言えます。
涙は通常であれば過剰に分泌されることはありません。悲しい時や嬉しい時、あるいは目にゴミやほこりが入った時などに涙が溢れることがありますが、これは自然な反応です。
しかし、何も理由がないのに涙が溢れて止まらなかったり、常に涙で潤んでいたりする場合には、涙の排水に異常が起きている可能性があります。目に過剰な涙が溜まることは、視界不良による日常生活への影響のほか、まぶたのただれなどを引き起こすことがあるため、決して無視できない症状です。
涙の通り道
眼窪内の涙腺で作られた涙は、目全体に広がった後、涙点から最終的に鼻へ通じる鼻涙管を通って排出されていきます。この涙の通り道のことを「涙道(るいどう)」と呼びます。
「涙点」→「涙小管」→「涙嚢」→「鼻涙管」→「鼻腔」
涙はまぶたの上にある涙腺でつくられ、瞬きをするたびに目の表面に広がります。一日に分泌される涙の量は0.7g程度といわれており、その1割ほどが目から蒸発し、残りは目頭にある涙点と呼ばれる穴から鼻涙管(びるいかん)を通して鼻の奥に抜けていきます。
涙はこうしてつくられ、その多くは体内に吸収されます。それなのに涙があふれてしまうということは、涙の通り道である鼻涙管に問題が生じているからです。
考えられる疾患
結膜炎・花粉症
眼球表面の白目の部分を覆う結膜が炎症を起こすことを「結膜炎」と言います。結膜炎の原因はさまざまで、ウイルス・細菌への感染、花粉・ハウスダストなどに対するアレルギー反応などが挙げられます。いずれの場合も、目の充血や違和感のほか、涙の増加、目やにの異常などの症状が現れることがあります。
ウイルス性結膜炎
ウイルス感染が原因となる結膜炎です。涙の増加のほか、目やにの異常や痛みなどが生じるのが特徴です。感染力が強く、家庭内感染や学校での集団感染を起こすため、「はやり目」とも呼ばれます。
細菌性結膜炎
インフルエンザ菌や肺炎球菌、黄色ブドウ球菌など、さまざまな細菌への感染によって起こる結膜炎です。目のかゆみや瞼の腫れのほか、涙の増加、黄色くネバネバとした目やにが出るなどの症状が特徴です。
アレルギー性結膜炎
花粉やハウスダストなどのアレルゲンに対するアレルギー反応が原因で起こる結膜炎です。目のかゆみのほか、涙の増加などの症状が現れますが、その程度は人によって異なります。目の症状のほか、鼻や皮膚、のどの症状を伴うこともあります。
逆まつげ(内反症)
逆まつげ(内反症)は、まぶたの縁に生えたまつげと眼球が常に接触している状態のことを指します。まつげと眼球の接触によって、目がごろごろする異物感や目のかすみなどの症状が現れるほか、眼球が刺激されることで、常に涙が出続けることもあります。
先天性の逆まつげは特段の治療を必要としないことも多いですが、まつげによって角膜が損傷することもありますので、なかなか自然治癒しない、あるいは後天性の逆まつげの場合には手術を行うこともあります。
涙道閉塞
涙の通り道である涙道が、何らかの理由で詰まることがあります。この状態が「涙道閉塞」で、行き場を失った涙が目から溢れるため、常に涙目になる、とくに理由がないのに涙が溢れるなどの症状を引き起こします。